特定空家等になると大変です。
まず、税金が高くなります。
税金というのは、固定資産税で、最大6倍になる可能性があります。
住宅用地の場合、固定資産税は、最大6分の1に軽減されていますが、特定空家等になると、この特例が外され、更地として、課税されるからです。
そして、何らの対応もせず、放置し続けると、最悪の場合、50万円以下の過料に処せられます。
そして、金銭的なダメージはこの過料だけではありません。
何らの対応もせず、放置し続けると、行政が代わりに対応します。
これを行政代執行と言います。
もちろん、タダではありません。この行政代執行にかかった費用を、後に請求されるのです。
行政代執行によって解体した場合、数百万円になることもあります。
ちなみに、行政代執行の費用は、他の税金同様、自己破産しても、免責されません。
まとめると
- 固定資産税が高くなるかも
- 過料50万円が処せられるかも
- 数百万円請求されるかも(自己破産で免責されず)
では、その特定空家等とは、何か見ていきましょう。
特定空家等とは、空家等対策の推進に関する特別措置法によれば、
そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態又は著しく衛生上有害となるおそれのある状態、適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態にあると認められる空家等をいう。
空家等対策の推進に関する特別措置法第2条第2項
とあります。つまり、
- 著しく保安上危険
- 著しく衛生上有害
- 著しく景観を損なっている
- 周辺の生活環境の保全のため、放置が不適切な状態
な空家等です。
ところで、「空家等」とは、
建築物又はこれに附属する工作物であって居住その他の使用がなされていないことが常態であるもの及びその敷地(立木その他の土地に定着する物を含む。)をいう。ただし、国又は地方公共団体が所有し、又は管理するものを除く。
空家等対策の推進に関する特別措置法第2条第1項
で、「立木その他の土地に定着する物も含む」とあり、建物に限りません。
では、どのような流れで特定空家等になってしまうのか、見ていきましょう。
市民からの相談などで行政が空家等を把握します。
登記簿謄本、戸籍、近隣等への聞き取りなどにより、所有者や現地を調査します。
それらの結果により、特定空家等かどうか判定します。
特定空家等と判定された場合、所有者等に対する助言又は指導により、所有者等に改善をうながします。
所有者等が依然として改善しなかった場合、勧告されます。固定資産税の住宅用地特例の対象から外れ、固定資産税が高くなります。
勧告受けたものが正当な理由なくその勧告にかかる措置を取らなかった場合において、周辺生活環境への影響などを総合的に判断して、特に必要があると認めるときは、勧告にかかる措置を取ることを命ずることができますが、その命令の前に、所有者等へ事前に通知されます。意見書及び自己に有利な証拠を提出する機会となります。
勧告にかかる措置を取ることを命ぜられます。違反すると50万円以下の過料に処せられます。
標識の設置、市町村の公報への掲載、議会への報告等、一連の手続きを経て、空家の解体工事等の行政代執行が実施されます。
所有者等に納付命令書・督促状が送付され、費用の回収がされます。連帯納付義務が課せられた場合、相続人の一部の人に、全額を請求されることもあります。なお、公債権のため、自己破産をしたとしても、免責はされません。
という流れになります。
STEP.4 勧告 以降は、固定資産税が高くなったりしますので、STEP.3 助言又は指導 の段階で、対処することが大事なことがわかりますね。
さあ、どうですか?
おじいさんや、おばあさんの住んでいた家はどうなっていますか?
また、おじさん、おばさんは、どうですか?
お子さんのいない、おじさんや、おばさんは、自分や自分の親が、相続人になる可能性があります。
早めにご確認を!