こんにちは。いきいき司法書士事務所の司法書士、山田達也です。
「親が亡くなり、実家を相続することになったけど、どうすればいいのか分からない…」
「とりあえず放置してるけど、大丈夫かな?」
こんなお悩み、実は非常に多いんです。
日本全国で空き家が増え続けている背景には、相続された実家が「どう扱えばいいか分からないまま放置されている」ケースがたくさんあります。
今回は、「相続した空き家」について、司法書士の視点から
✅まず何をするべきか
✅登記や手続きの流れ
✅空き家を放置するリスク
✅賢い活用・売却方法
などをやさしく解説します。

1. 相続したら「何から始めるべきか」
●最初のステップは「現状の把握」
まずやるべきことは、以下の3点を確認することです。
① 誰が相続人かを確認する
- 相続人の範囲は、配偶者・子供・兄弟姉妹などケースによって異なります。
- 司法書士が戸籍を取り寄せて「法定相続人の調査」を行うことが多いです。
② 不動産の名義や内容を調べる
- 登記簿を取得し、誰の名義なのか、抵当権などの権利がついていないか確認。
- 土地と建物で別々の名義になっているケースもあります。
③ 固定資産税の納税通知書を探す
- 空き家でも毎年の税金はかかります。
- 市町村に問い合わせれば納税情報を教えてもらえることもあります。
2. 「空き家の名義変更」はどうするの?
相続登記(名義変更)は、令和6年4月から【義務化】されました。
●相続登記の義務化とは?
- 不動産を相続した場合、3年以内に登記しないと10万円以下の過料が課される可能性があります。
- 放置していると他の相続人が勝手に使う・売るなどのトラブルにも。
●相続登記の流れ(簡略版)
- 相続人の確定(戸籍取り寄せ)
- 遺言書の有無を確認(ある場合は内容に従う)
- 遺産分割協議書の作成(相続人全員で話し合い)
- 相続登記の申請(法務局に提出)
📌ポイント:相続人が複数いる場合、「誰が取得するか」の話し合いが必要です。揉める前に司法書士に相談を!
3. 空き家を放置するリスクとは?
相続しても、すぐに住む予定がないからといって放置していると、さまざまな問題が発生します。
⚠主なリスク
●建物の劣化・倒壊
- 台風や地震で瓦が落ちたり、倒壊して他人にけがをさせたら「損害賠償責任」が発生することも。
●不法侵入や放火
- 空き家は狙われやすく、ゴミの不法投棄や放火被害も少なくありません。
●行政からの指導・命令
- 「特定空き家」に認定されると、固定資産税の軽減措置がなくなり、最悪の場合は行政代執行(強制解体)されることも。
●他の相続人と揉める
- 名義が亡くなった人のままだと、売却・賃貸・解体などの手続きができず、相続人同士の対立の火種になります。
4. 空き家は「資産」になるかもしれない
「もうボロボロだし、売れないだろう」と思っている方も、実際には以下のような活用方法があります。
●売却する
- 古家付きでも「土地」として価値がある場合があります。
- 解体後の更地渡し or 現状渡し、どちらが有利かはケースによります。
●賃貸に出す
- リフォームして貸すと、毎月の家賃収入に。
- 古民家カフェ・ゲストハウスなど、地域資源として活用する人も。
●信託・後見を活用
- 認知症リスクがある高齢者が所有者だった場合、家族信託を使って管理権限を子に渡しておくと、後々売却がスムーズです。
5. 専門家に相談するメリット
空き家問題は、「登記」「相続」「税金」「売却」「近隣対応」など複数の分野が絡みます。自分だけで対処しようとすると、時間と手間がかかり、トラブルに発展することも。
🔍司法書士に相談することで…
- 相続登記を正確・迅速に対応
- 相続人の調査や遺産分割の助言
- 信託や後見制度の設計サポート
- 売却や管理に向けた不動産業者の紹介※弊所は不動産業もしているのでワンストップです。
「相続+不動産」専門の司法書士なら、ワンストップで解決できます。
6. まとめ:空き家相続のチェックリスト
✅ 相続人の確認(戸籍)
✅ 登記名義の確認(法務局)
✅ 固定資産税の確認
✅ 相続登記の準備(3年以内に必須)
✅ 空き家の活用・処分方法の検討
✅ 専門家に早めに相談!
📞お困りの方はお気軽にご相談ください
当事務所では、相続した空き家の登記・売却・管理に関するご相談を随時受け付けております。
相談は初回無料。秘密厳守で対応いたします。
【想定事例】相続した実家を5年放置…Aさんが直面した空き家問題とその解決

石川県金沢市にお住まいのAさん(50代・女性)は、5年前にお母様を亡くされました。ご実家は金沢市郊外にある築40年ほどの一戸建て住宅で、Aさんが子ども時代を過ごした思い出深い場所でした。
しかし、ご自身はすでに別の都市に住んでおり、実家に戻る予定はありません。弟さんも転勤族で県外在住。結局、「とりあえずそのままにしておこう」と、誰も住まないまま月日が流れていきました。
■ 市役所から突然の連絡「このままだと危険家屋に指定されます」
ある日、市役所からAさんのもとに一通の通知が届きました。
「空き家となっている建物について、近隣住民から『草が伸びていて通行に支障が出ている』『瓦が落ちそうで怖い』と苦情が寄せられています。必要な管理をお願いします。」
驚いたAさんが久しぶりに実家を訪れると、そこには荒れ放題の風景が広がっていました。
庭は雑草が胸の高さまで伸び、郵便受けにはチラシやDMが山積み。
建物の外壁は黒ずみ、雨樋は外れ、屋根の一部が崩れかけていました。空き家特有の傷みが進み、「思い出の家」というよりも「廃屋」に近い状態でした。
さらに驚いたのは、隣地との境界付近に不法投棄されたごみの山。放火のリスクもあると言われ、Aさんは焦って当事務所にご相談に来られました。
■ 相談内容と問題点の整理
ご相談当初、Aさんは以下のような点でお悩みでした。
- 実家の名義が亡くなった母のままで相続登記をしていなかった
- 売るにも誰のものかはっきりしておらず、不動産会社に断られた
- 相続人(弟さん)との話し合いもできていない
- 解体も検討したいが、補助金や税金のことがわからない
- 市役所から「特定空き家」に指定されるかもしれないと不安
■ 当事務所の対応と解決までの流れ
このケースでは、相続・登記・空き家管理・売却と、複数の問題が複雑に絡んでいました。
そこで、当事務所では以下のような流れで対応しました。
① 相続人の確定と戸籍調査
まずはお母様の出生から死亡までの戸籍を収集し、法定相続人を確定しました。結果、Aさんと弟さんの2人が相続人であることがわかりました。
② 遺産分割協議のサポート
弟さんと連絡を取り、空き家の扱いについて協議。Aさんが単独で相続し、売却を進めることで合意。
当事務所で遺産分割協議書を作成しました。
③ 相続登記の申請
法務局にて、母名義だった土地建物をAさん名義へと変更しました。これで、正式に「売却できる状態」となります。
④ 空き家の調査と売却戦略の検討
地元の提携不動産会社と連携し、売却に向けた現地調査を実施。建物は傷みが激しかったものの、土地の需要は高く、「解体更地渡し」の方が高く売れることが判明。
⑤ 解体補助金の申請サポート
市の空き家対策事業を活用し、解体費用の一部を補助してもらえる制度を案内。解体業者の紹介から申請書類の作成まで支援しました。
⑥ 売却成立・納税サポート
更地にして販売を開始し、3ヶ月後に無事買い手が決定。譲渡所得税の申告については、提携税理士をご紹介し、納税シミュレーションを実施しました。
■ ご相談者の声(想定事例)
「ずっと放置していた実家が、ようやく片付きました。母にも申し訳なく思っていましたが、これでようやく前に進めた気がします。こんなに多くの手続きが必要とは思わなかったので、プロにお願いして本当によかったです。」
■ まとめ:相続空き家は「放置」が最大のリスク
Aさんのように、相続後すぐに使い道が決まらない実家は、つい放置しがちです。
しかし、空き家は年々劣化し、税金・維持費・近隣トラブルなど、さまざまな問題を引き起こします。
令和6年からは、相続登記が義務化され、「3年以内に登記しないと過料10万円」というペナルティもあります。
✅こんな方はすぐにご相談を
- 実家を相続したが、何も手続きしていない
- 名義が故人のままで放置している
- 売却・賃貸・解体の相談をしたい
- 相続人同士で話がまとまらない
- 空き家管理で近隣トラブルがある
当事務所では、相続登記から空き家売却・活用まで、トータルでサポートいたします。
初回相談は無料ですので、お気軽にお問い合わせください。