アメリカのドラマを見ていると、時々、「信託」という言葉が出てきます。
お金持ちが、子供に、信託財産を残すような場合です。
あれ?相続じゃなくて?
と思われた方は、するどいですね。
戸籍制度のないアメリカでは、相続人の確定が簡単ではなく、相続手続きは、わりと面倒らしいです。
そこで、信託制度を使う事が多いと、前に聞いたことがあります。
では、その信託っていったい何?となるのですが、
古くは十字軍の遠征にあたり、夫の財産を管理するために、生まれたと言われています。
生きて帰ってこられるか、わからない。あるいは、生死不明になるかもしれない。
といった場合、夫の財産をとりあえず、家族のために使ったり、運用したいですよね。
もし、所有者が不在だからと言って、財産を凍結されたら、困ります。
誰か、信頼できる人に、管理や運用を頼みたいと思います。
それが、信託です。
何かのCMに、「信じて託す」とありましたが、名は体を表しています。
では、生きて戻ってきたらどうなるか?ですが、
信託は終了したと思います。
「財産を信じて、託しすけど、無事帰ってこれたら、返してね」
としたはずです。
でなければ、安心して遠征できませんもんね、
そうです、信託は、期限や条件により、終了します。
永遠に続くわけではありません。
託しただけで、あげたわけじゃないのです。
ここまで、読まれて、もうお気づきですよね。
信託で一番大事なこと、
それは
「誰に託すか」
です。
信じて託すのが信託ですので、信じられる人に、託さなければなりません。
民事信託では、その「誰か」は、多くの場合「家族」になります。
信じられる家族に、財産を託す、それが、民事信託です。