遺言

成年後見人からの遺留分侵害額請求

2021年1月25日

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成年後見人からの遺留分侵害額請求

2021年1月25日

遺言による相続後、相続人に成年後見人が選任された場合、

その遺言により、成年被後見人が、遺留分を侵害されているときには、

他の相続人は、遺留分侵害額請求(旧遺留分減殺請求)をされる恐れがあります。

例えば、被相続人(父)、相続人(母)、相続人(子)がいるとします。

生前、父は子へ、多くの財産を贈与しました。

一方、全ての財産を、母に相続させる遺言をしました。

そんなある日、子が不慮の事故により、意思能力を失いました。

父が失意のため病気になり、亡くなります。

遺言により、母は、全ての財産を相続します。

その後、子に成年後見人が選任されました。

その成年後見人は、子の遺留分が侵害されている場合、母に遺留分侵害額請求をするでしょうか?

原則します。

原則と言ったのは、

例えば、さかのぼって父が亡くなる10年内に、子が多額の生前贈与を受けており、そもそも、遺留分を侵害していないとか、

遺留分額侵害請求による、経済的なメリットを、はるかに上回るデメリットが、存在しているなど、特別な事情がある場合は、しない事も考えられます。

その場合でも、裁判所や親族と協議して、慎重に決めると思います。

遺留分侵害額請求権は、遺留分を侵害された相続人の権利ですので、行使する事は、悪いことではありません。

しかし、せっかく被相続人が、もめないようにした、生前贈与や遺言が、あだとなり、余計にもめることにもなりかねません。

子に意思能力があれば、遺留分侵害額請求など、しなかったかもしれません。

しかし、成年後見人は、本人の財産管理について、善管注意義務を負うため、本人の不利益になることはできません。

したがって、よほどの事情がない限り、成年後見人は、母に対して、遺留分侵害額請求を行います。

遺言と生前贈与は、慎重にという話でした。

  • この記事を書いた人

司法書士 山田達也

 昭和44年生まれ。3児の父。平成17年、石川県金沢市に、司法書士を開業し、平成30年に行政書士事務所、平成31年不動産を開業。マンション管理士、民事信託士等の資格を保有し、不動産及び財産管理に強い事務所を目指しています。「いきいき生きる」をモットーに、お客様の「生きる」を全力で、サポートします。

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