完成猶予にはなります。
以下は2020年4月1日に民法改正により変更になった点です。
例えば、Aさんは、Bさんにお金を貸したとします。ところが、Bさんは、お金を返してくれません。
そうこうしているうちに、債権の消滅時効期間である5年が迫ってきました。Aさんは、とりあえず、Bさん所有不動産の仮差押を裁判所に申し立てました。
裁判所での手続きなので、時効が更新(改めて、その時点から時効が再スタートすること)されると思っていたら、違いました。
そうです、改正前は、仮差押及び仮処分をすると、時効が更新されましたが、改正後は、その効果は完成猶予となりました。
仮差押及び仮処分については、その事由が終了した時から6か月を経過するまでは、時効は完成しません。
では、その事由が終了した時とは、いつのことを言うのでしょうか。
改正前の判例では、仮差押登記が抹消された時とされていますが、反対する意見もあります。
なぜなら、仮登記さえ入れておけば、永遠に消滅時効にかからないことになるからです。
実務的には、仮差押をしたら、すみやかに本案訴訟を提起する等の、他の時効更新手続きをするのが、よいでしょう。