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石川県金沢市の相続・不動産に強い司法書士

実家まるごと資産カルテ 作ることおすすめします。

「実家の土地と建物、名義は本当に父のままなのだろうか」「山や畑があると聞いたことはあるけれど、どこにあるのか誰も知らない」――親が元気なうちは聞きづらく、亡くなってから初めて調べ始めるご家族がほとんどです。しかし、相続登記は令和6年(2024年)4月から義務化され、取得を知った日から3年以内に登記しないと10万円以下の過料の対象になります。財産の全体像が分からないまま相続が始まると、戸籍集めと並行して不動産の洗い出しまで行うことになり、期限に追われてしまいます。この記事では、金沢のいきいき司法書士事務所が、親が元気なうちに実家の財産を1枚にまとめる「実家まるごと資産カルテ」の考え方と、名寄帳・登記事項証明書・所有不動産記録証明書を使った具体的な調べ方を解説します。

実家まるごと資産カルテ|親子で実家の財産一覧を確認しているイラスト

なぜ「親が元気なうち」に実家の財産を把握すべきなのか

相続の手続きで最初につまずくのは、戸籍でも遺産分割でもなく、「何があるのか分からない」という点です。預貯金は通帳やキャッシュカードから見当がつきますが、不動産は違います。実家の土地建物のほかに、先代から引き継いだ山林、耕作をやめた農地、道路の一部になっている細長い土地、親戚と共有になっている土地などが、本人の記憶の中にしかないことが少なくありません。

そして、こうした情報を一番よく知っているのは、親御さん本人です。元気なうちであれば「この山はおじいさんの代からのもの」「あの畑は隣の人に貸している」と教えてもらえますし、権利証や固定資産税の通知書がどの引き出しにあるかも一緒に確認できます。判断能力が低下したり、亡くなったりした後では、その情報源そのものが失われてしまいます。

親が元気なうちに把握しておきたい3つのこと
① 名義:実家の登記名義人は誰か。亡くなった祖父母の名義のまま残っていないか
② 所在:実家以外に土地・建物はないか。山林・農地・共有地・別の市町村の土地はないか
③ 書類:権利証(登記識別情報)、固定資産税の通知書、保険証券、通帳がどこにあるか

特に①は重要です。令和6年4月1日に始まった相続登記の義務化では、施行前に発生した相続も対象となり、令和9年(2027年)3月31日が申請期限とされています。実家を調べてみたら「昭和に亡くなった祖父の名義のまま」というケースは金沢でも珍しくなく、この場合は親御さんの相続を待たずに、今すぐ登記を進める必要があります。

「実家まるごと資産カルテ」とは何か

当事務所が「資産カルテ」と呼んでいるのは、実家に関する財産と書類の所在を、A4で1〜2枚の一覧表にまとめたものです。医療のカルテと同じように、現状を記録し、変化があれば書き足していく「家族で共有できる台帳」と考えていただくと分かりやすいと思います。専門家でなくても自分で作ることができますし、司法書士・行政書士・宅建士・FPの資格を持つ当事務所では、ご希望により実家へ出張して一緒に作成させていただくこともできます。

カルテの項目記載する内容確認に使う資料
不動産の一覧所在・地番・家屋番号、地目、面積、評価額名寄帳、固定資産税の通知書、登記事項証明書
名義と権利登記名義人、共有者と持分、抵当権など担保の有無登記事項証明書
建物の状況未登記の建物・増築部分、居住の有無、老朽化の程度固定資産税の通知書、現地確認
金融資産・保険取引金融機関、口座の種類、保険の契約先と受取人通帳、証券、契約のお知らせ
負債・契約住宅ローン残高、借地・借家契約、貸している土地返済予定表、契約書
書類の保管場所権利証、実印・印鑑カード、遺言書の有無と保管先本人への聞き取り
本人の希望実家を「売る・貸す・残す」のどれを望むか、誰に引き継ぎたいか本人への聞き取り

ポイントは、金額の正確さよりも「漏れがないこと」を優先する点です。評価額は固定資産税の通知書に記載された金額で十分ですし、金融資産も残高ではなく「どこに何があるか」が分かれば目的は達せられます。なお、税務に関するご相談は税理士の業務となりますので、当事務所では補助的な情報整理までとし、必要に応じて提携税理士をご紹介しています。

実家の不動産を調べる4つの方法と費用

不動産の洗い出しには、公的な資料が4種類あります。それぞれ「分かること」と「分からないこと」が違うため、組み合わせて使うのが基本です。

資料取得先・費用分かること限界
固定資産税の通知書毎年4〜5月頃に市町村から所有者へ郵送。無料その市町村で課税されている土地・建物、評価額非課税の土地(公衆用道路など)や免税点未満の物件が載らないことがある。他市町村の物件は載らない
名寄帳(固定資産課税台帳)市町村の資産税課。金沢市は所有者ごと・年度ごとに300円(本人・相続人・委任を受けた代理人が閲覧可)その市町村内で本人が所有する物件の一覧。未登記建物も課税されていれば載る市町村ごとに請求が必要。共有物件が別枝番で管理され漏れやすい
登記事項証明書(登記簿)法務局。窓口600円、オンライン請求で郵送500円・窓口受取480円正確な名義人、共有持分、抵当権などの担保、地目・面積物件を特定してから請求するもので、「どこに何があるか」を探す用途には使えない
所有不動産記録証明書法務局。令和8年(2026年)2月2日から運用開始。書面請求1,600円、オンライン請求1,500円(郵送)・1,470円(窓口受取)登記名義人の氏名・住所で全国の登記記録を横断検索した一覧登記簿上の氏名・住所が現在と異なると抽出されない。網羅性に限界があると法務省も明記

今年2月に始まった所有不動産記録証明制度は「全国版の名寄帳」と呼ばれることもありますが、万能ではありません。登記簿上の住所が引っ越し前のままだったり、旧字体の氏名で登記されていたりすると、検索から漏れます。実務上は、まず固定資産税の通知書と名寄帳で物件のあたりをつけ、次に登記事項証明書で名義と担保を確認し、他の市町村に物件があるかどうかの確認に所有不動産記録証明書を使う、という順番が確実です。登記事項証明書の請求方法は登記事項証明書を速達で送ってもらうといくら?でもご紹介しています。

名寄帳を親の代わりに取る場合

親御さんが存命の場合、名寄帳の名義人は親御さん本人ですので、お子さんが取得するには本人からの委任状が必要です。金沢市の場合、本人確認書類と委任状を資産税課に持参すれば、その場で閲覧できます。親御さんと一緒に窓口へ行けるなら委任状は不要ですが、足腰の負担を考えると、あらかじめ委任状を用意してお子さんが動くほうが現実的です。なお、資産カルテの出張作成をご依頼いただく場合は、名寄帳や登記事項証明書の取得も当事務所で代行させていただきます。

実家を訪ねて初めて分かる「5つの落とし穴」

書類だけを取り寄せて机の上で整理することもできますが、当事務所が出張での作成をおすすめしている理由は、実家に伺うことで書類には表れない問題が見えてくるからです。相続が始まってから発覚すると手続きが大きく遅れる、代表的な落とし穴を挙げます。

落とし穴① 未登記の建物・増築部分がある
昭和期に建てた離れや車庫、後から増築した部分は、固定資産税は課税されているのに登記されていないことがよくあります。未登記のままでは相続登記も売却もできず、まず表題登記(土地家屋調査士の業務)から始めることになります。
落とし穴② 完済済みの住宅ローンの抵当権が残っている
ローンを返し終えても、抵当権の抹消登記は自動では行われません。金融機関から受け取った抹消書類が引き出しに眠っているケースは非常に多く、売却時に慌てて探すことになります。書類の一部は有効期限があり、期限切れなら再発行の手間が生じます。
落とし穴③ 亡くなった祖父母や親戚との共有名義のまま
登記簿を見ると、実家の土地が「祖父名義」だったり、叔父と共有だったりすることがあります。この場合、相続人は数世代にわたって広がり、遺産分割協議に十数人の署名が必要になることもあります。早く気づけば、関係者が少ないうちに整理できます。

このほか、登記簿上の住所が転居前のままになっている(住所変更登記の義務化により令和10年3月31日までの登記が必要)、山林や農地を相続した際の届出義務(森林法・農地法)を誰も知らない、といった問題も現地でのお話から見えてくることが多い点です。

時間が経つほど「打てる手」が減っていく

実家の財産整理は、早いほど選択肢が多く、費用も安く済みます。親御さんの状態と、使える制度の関係をタイムラインで見てみましょう。

元気なうち資産カルテ作成遺言・家族信託生前の売却・整理判断能力の低下遺言・信託は原則できない売却には成年後見が必要実家は空き家に相続の発生財産調査を一から遺産分割協議相続登記(3年以内)3年以内に相続登記怠ると10万円以下の過料※左に行くほど選べる対策が多く、費用も抑えやすい
図1:親の状態と、その時点で使える対策

特に注意したいのが真ん中の「判断能力の低下」です。認知症などで契約の判断ができなくなると、遺言も家族信託も原則としてできなくなり、実家を売却するには家庭裁判所で成年後見人を選任してもらう必要が生じます。成年後見制度は見直しが進められていますが、それでも「本人のための売却」であることの説明や裁判所の許可が求められ、家族の一存では進められません。資産カルテを作る一番の効果は、この段階に入る前に「実家をどうするか」を家族で話し合うきっかけができることです。

資産カルテ作成の流れ

ご自身で作る場合も、当事務所にご依頼いただく場合も、手順は基本的に同じです。

STEP1 実家で固定資産税の通知書・権利証・通帳・保険証券を集める(引き出し・仏壇の下・金庫を親と一緒に確認)
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STEP2 名寄帳を取得し、通知書に載っていない土地・建物がないか照合する(他市町村に物件があれば所有不動産記録証明書も検討)
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STEP3 物件ごとに登記事項証明書を取り、名義人・共有者・抵当権を確認する
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STEP4 建物の現況・未登記部分・貸している土地の有無を現地で確認する
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STEP5 一覧表(資産カルテ)にまとめ、親の希望(売る・貸す・残す)と合わせて家族で共有する

当事務所に出張作成をご依頼いただいた場合は、STEP2〜3の公的書類の取得を代行し、STEP4でお伺いした際に登記の専門家の目で名義・担保・未登記の有無を確認します。宅建士の立場から、その物件が現状で売却や賃貸に向いているかどうかの一般的な見立てをお伝えすることもできますが、査定や仲介のご案内は別のお手続きとなり、ご希望がある場合にのみ改めてご説明しています。料金については料金ページをご確認ください。

自分で作る・司法書士に依頼する・何もしない、を比較

自分で作る司法書士に依頼(出張作成)何もしない
費用名寄帳300円、登記事項証明書1通600円など実費のみ実費+報酬今は0円。ただし相続後に調査費用・過料リスク・空き家の維持費が発生
手間市役所・法務局への請求、登記簿の読み方の習得が必要書類収集を代行。家族は聞き取りに立ち会うだけなし
見落とし未登記建物・共有・抵当権の残存に気づきにくい専門家が登記簿と現地を照合相続後に発覚し、手続きが数か月〜年単位で遅れることも
向いている方物件が実家1か所で、登記に慣れている方物件が複数、山林・農地がある、県外在住で頻繁に帰省できない方―

金沢でよくあるご相談の実例イメージ

例えば、こんなケースです。「東京在住の長男。金沢市内の実家に80代の父が一人暮らし。父は元気だが、先日『山も少しある』と聞いて不安になった」。帰省のタイミングに合わせて実家に伺い、父から聞き取りをしながら固定資産税の通知書を確認すると、実家の土地建物のほかに、隣接する市の山林2筆と、実家の前の細い道路部分(非課税のため通知書には載っていない)があることが分かりました。登記事項証明書を取ると、実家の土地は30年前に亡くなった祖父の名義のまま。相続登記の義務化により、この土地は令和9年3月31日までに登記が必要で、父の兄弟3人の協力も要ります。

もし父が亡くなってから調べ始めていたら、祖父の相続と父の相続を同時に処理する「数次相続」となり、関係者は父の兄弟の子どもたちまで広がっていたはずです。元気なうちに気づけたことで、父本人が兄弟と話をし、遺産分割協議書に署名をもらうことができました。同時に、父の「実家は長男が継がなくてよい、自分がいなくなったら売ってよい」という意向も確認でき、遺言書の作成につなげることができました。こうした「今なら簡単、後なら大変」という差が、資産カルテを作る一番の価値です。

よくあるご質問

Q1.親に「財産を調べたい」と言い出しにくいのですが。

A.「相続登記が義務化されて、名義を確認しておかないと過料があるらしい」という制度の話から入ると、お金の話ではなく手続きの話になり、切り出しやすくなります。実際、当事務所へのご相談も「義務化のニュースを見て」がきっかけの方が多いです。第三者である司法書士が同席することで、親御さんが話しやすくなるケースもあります。

Q2.名寄帳を取れば、親の不動産はすべて分かりますか?

A.その市町村内の課税物件は分かりますが、他の市町村の物件は載りません。また、非課税の土地や、共有物件が別の枝番で管理されていて漏れる場合もあります。他市町村の物件が疑われる場合は、令和8年2月に始まった所有不動産記録証明書(1通1,600円、オンライン請求1,500円)を併用します。ただし登記簿上の氏名・住所が古いままだと検索から漏れる点にご注意ください。

Q3.権利証が見つかりません。相続や売却はできますか?

A.相続登記には権利証は不要です。売却など本人が名義を移す登記の際に必要になりますが、紛失していても司法書士による本人確認情報の作成などの代替手段があります。ただし追加の費用と時間がかかるため、元気なうちに保管場所を確認しておくことをおすすめします。

Q4.資産カルテを作った後、何をすればよいですか?

A.まず、祖父母名義のまま残っている物件があれば相続登記を進めます。次に、親御さんの「売る・貸す・残す」の希望を踏まえ、必要に応じて遺言書や家族信託を検討します。当事務所では、登記から売却まで一つの窓口で対応できますので、カルテを見ながら優先順位をご提案しています。

Q5.県外に住んでいて頻繁に帰省できません。

A.帰省の日程に合わせて実家へお伺いすることも、親御さんのご了承のうえで当事務所が単独でお伺いし、結果をオンラインでご報告することもできます。お子さんが県外、ご両親が金沢という組み合わせは、当事務所のご相談で最も多いパターンです。

まとめ|実家の財産は「亡くなってから」では遅い

実家の財産を把握する作業は、相続が始まってからでもできます。しかし、親御さんが元気なうちに行えば、聞き取りで情報が集まり、祖父母名義の放置に早く気づけ、遺言や生前の整理という選択肢も残ります。最後に、今日からできる3ステップを整理します。

今日からできる3ステップ
① 次の帰省で、固定資産税の通知書と権利証の保管場所を親と一緒に確認する
② 通知書に載っている物件の登記事項証明書を取り、名義人が親本人か、抵当権が残っていないかを見る
③ 分かったことを1枚の一覧表にし、親の「売る・貸す・残す」の希望を書き添えて家族で共有する

相続登記の義務化、住所変更登記の義務化、所有不動産記録証明制度と、不動産の名義を「きちんと管理する」ための制度がこの数年で出そろいました。放置していた名義がそのままリスクになる時代です。「うちの実家、何があるのか分からない」という段階からのご相談も歓迎しています。

金沢で実家の財産整理・相続登記のご相談なら
いきいき司法書士事務所は、司法書士・行政書士・宅建士・FPの資格を活かし、実家の資産カルテ作成から相続登記、遺言・家族信託、不動産の売却まで一つの窓口でサポートします。ご希望により実家への出張作成も承ります。
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